ライブネス検知
ライブネス検知は、生体情報のサンプルがセンサーの前にいる実在の人物から取得されたものか、写真、印刷マスク、画面の再生、ディープフェイクによるものかを判定します。提示攻撃に対する防御であり、その試験方法と報告方法は国際規格ISO/IEC 30107-3で定義されています。
提示攻撃とは何か
提示攻撃とは、偽のサンプルをセンサーに提示して生体認証システムを突破しようとする行為の総称です。顔認識では、印刷した写真、スマートフォン画面に表示した顔、録画映像の再生、紙やシリコーンのマスク、そして近年は合成生成した顔を映像経路に注入する手法が一般的です。
- 印刷攻撃:対象者の写真をカメラにかざす手法。
- 再生攻撃:対象者の映像を画面で再生する手法。
- マスク攻撃:紙の切り抜きからシリコーン製まで、物理的なマスクを用いる手法。
- 注入攻撃:合成または撮影済みの映像をカメラを経由せず映像処理経路へ直接送り込む手法。
能動的ライブネスと受動的ライブネス
| 能動的 | 受動的 | |
|---|---|---|
| 利用者の動作 | 指示に応じて瞬き・首振り・笑顔 | 不要 |
| 所要時間 | 数秒 | 即時 |
| 既存CCTVで利用 | 不可 | 可 |
| 録画済み動作の再生への耐性 | 弱い | 該当なし |
能動的ライブネスは利用者に動作を求め、それが実際に行われたかを確認します。受動的ライブネスは、1回の撮影から、実在の顔と複製物を区別する質感、奥行き、反射の手がかりを解析します。ゲートのカメラなど、協力を前提としない認識では受動的方式のみが選択肢となります。
ISO/IEC 30107-3は何を測定するのか
ISO/IEC 30107-3は、提示攻撃検知の試験に関する国際規格です。システムが対抗すべき攻撃器具と、結果を報告するための指標を定義しています。これにより、各ベンダーが独自に成功を定義するのではなく、主張同士を比較できるようになります。
検知精度と同じくらい、どこで検知を実行するかが重要です。ライブネス解析は細かな質感や反射の情報に依拠するため、録画から取り出した高圧縮のフレームで評価するシステムは、判断材料の大半をすでに失っています。圧縮前の撮影データに対しエッジで実行することが、試験結果を実際の設置環境でも意味あるものに保ちます。
ISO/IEC 30107-3準拠を掲げるベンダーは、試験方法論を説明しているのであり、合格基準を示しているわけではありません。どの攻撃器具を、どの水準で、誰が試験したのかをご確認ください。
よくある質問
- ライブネス検知とは何ですか。
- ライブネス検知は、生体情報のサンプルがセンサーの前にいる実在の人物から取得されたものか、写真、マスク、画面の再生、ディープフェイクによるものかを判定します。提示攻撃に対する防御であり、その試験方法と報告方法はISO/IEC 30107-3が定義しています。
- 能動的ライブネスと受動的ライブネスの違いは何ですか。
- 能動的ライブネスは、瞬き、首振り、笑顔などを利用者に求め、その動作が実際に行われたかを検証します。受動的ライブネスは、利用者に何も求めず、1回の撮影から質感、奥行き、反射の手がかりを解析します。ゲートのカメラなど協力を前提としない場面では、受動的方式のみが実用的です。
- ライブネス検知でディープフェイクを防げますか。
- 提示攻撃検知は、画面で再生されたディープフェイクを含め、カメラに提示された偽物に対応します。一方、合成映像をレンズを経由せず処理経路へ直接送り込む注入攻撃には、それ自体では対応しません。注入攻撃への対策には、画像の解析だけでなく撮影経路の保護が必要です。
- 既存のCCTVカメラでライブネス検知は利用できますか。
- 受動的ライブネスは、解像度と照明条件が満たされれば標準的なカメラ映像で動作します。能動的ライブネスは、対象者との対話と指示を表示する画面を必要とするため、固定の監視カメラでは利用できません。
- ISO/IEC 30107-3は認証制度ですか。
- 認証制度ではありません。攻撃器具と指標を定義し、ベンダー間で結果を比較できるようにするための試験・報告規格です。準拠という主張は、用いた方法論の説明であって合格の証ではないため、どの攻撃器具を、どの水準で、誰が試験したのかをご確認ください。
- ライブネス検知はゲートや扉の通過を遅くしますか。
- 受動的方式は、すでに取得済みのフレームに解析を1回加えるだけであるため、処理能力を決めるのは検知そのものではなく認識処理全体です。能動的方式は利用者の応答を待つため1人あたり数秒を要し、通行量の多い出入口ではほとんど採用されません。
