# 官公庁・公共安全における顔認識

URL: https://ayonix.com/ja/solutions/government-and-public-safety
最終更新: 2026-10-17 | 公開: 2026-09-08 | 執筆: Jan Mocary, Ayonix AI 最高技術責任者

官公庁における顔認識の導入は、技術と同じだけガバナンスで評価されます。誰が検索を実行できるのか、一致が出たとき何が起きるのか、何が記録されるのか、そして登録していない人物を識別するのかどうかです。法的な負担は、照合器の精度ではなく最後の問いによって決まります。

## Ayonixを導入している公共機関

Ayonixは、国境管理、警察、国防、空港、内務省の運用者に顔認識、映像解析、AIエージェントを提供してきました。以下の各案件は、組織名、課題、導入内容を明記した導入事例として公開しています。

5つの案件に共通するのは、システムの出力の上に築いた運用です。何かが起きる前に担当者が確認し、誰が検索し、判断し、上書きしたかをシステムが記録します。以下の各節では、公共部門の導入がアルゴリズム以上にこの点で評価される理由を説明します。

- 国際連合：国境管理: 自動化ゲートでの旅券と顔の照合、担当官の確認を伴う監視リスト照合、すべての承認と上書きの監査記録。
- トルコ警察：公共空間の映像解析: 既存の防犯カメラを、法的に管理された監視リストとの顔認識に接続。警報は、措置の前に権限のある警察官が確認します。
- インド国防省：現地での映像解析: カメラの近くに置いたATLAS BOXで検知、追跡、録画を実行。エアギャップ網を含め、完全なオフラインで動作します。
- コロンボ・バンダラナイケ国際空港：旅客処理: 出入国審査、保安検査、搭乗の各エリアにわたる、顔と旅券の照合、監視リスト照合、待ち行列の解析。
- ドバイ内務省：建築申請書類の検証: 検索拡張生成（RAG）による図面と書類の規制照合と、根拠を添えた検証レポート。担当者が確認・上書き・判断し、すべての操作が記録されます。

## 官公庁は実際に顔認識をどう使っているのか

24機関中18機関 — 2020会計年度に顔認識を利用したと回答した米国連邦機関 (米国政府説明責任局（GAO）報告 GAO-21-526: https://www.gao.gov/products/gao-21-526)

調査対象24機関が回答した利用目的（GAO-21-526、2020会計年度）。

読むべきは内訳です。この調査で最も多かった政府機関の用途は支給端末のロック解除であり、公の議論を占める捜査用途は少数でした。すべての導入が監視であるかのように設計された制度は、自らの統制の適用範囲を誤ります。

- デジタル認証・サイバーセキュリティ（支給端末のロック解除など） — 機関数: 16
- 犯罪捜査の端緒の把握 — 機関数: 6
- 物理セキュリティ（場所の監視、建物への入館管理） — 機関数: 5
- 関連する研究開発の実施または支援 — 機関数: 10

## EU AI法は何を禁じているのか

2025年2月2日 — EU AI法の許容できないリスクに対する禁止規定の適用開始日 (欧州委員会: https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/policies/regulatory-framework-ai)

第5条は、法執行目的で公衆がアクセス可能な空間においてリアルタイムの遠隔生体識別を行うことを禁じています。例外は3つです。誘拐、人身取引、性的搾取の特定の被害者および行方不明者の捜索、生命または身体の安全に対する特定かつ重大で切迫した脅威やテロ攻撃の防止、そして列挙された重大犯罪の被疑者の所在確認です。いずれも事前の司法許可を要します。

- 禁止されているのは、登録していない人物を、公共空間で、リアルタイムに識別することです。生体認証そのものの禁止ではありません。
- 本人の関与を伴う本人確認、たとえば職員証の代替や窓口での書類確認は、この範囲外です。
- 録画映像の事後解析はリアルタイム運用とは別に扱われ、独自の条件が課されます。
- 顔認識とだけ書かれた仕様書は、そのどれであるかを述べておらず、したがってどの規則が適用されるかも述べていません。

## 説明可能な警報対応に必要なもの

候補一致は結論ではなく、人による判断を求める要請です。官公庁の導入が害をもたらす場合、その原因は照合そのものよりも、その上に構築された手順にあります。警報が単独で作用しうる時点で、技術的な誤り率はリスクの中心ではなくなります。

登録項目の1件ごとが、無関係な人物が閾値を超える機会になります。整理されない監視リストはそれ自体で劣化します。リストの管理は事務ではなく精度上の統制です。

より難しいのは、確認者がその判断に何を持ち込むかです。高いスコアと、もっともらしい2枚の画像と、背後の行列を前にした担当者は、時間の制約のもとで機械に異を唱えることを求められています。人がそれを行う頻度は、ガバナンス文書が想定するよりはるかに低いのが実情です。尺度を示さずにスコアを提示すること、あるいはその閾値における却下の基準割合を示さずに提示することは、その数値を一つの入力ではなく判決のように見せます。

実務的な対策は技術ではなく手順にあります。却下を正規の結果として記録し、一致を退けた担当者が異例の事象を報告したのではなく職務を果たしたと扱われるようにすること。確認・却下比率を閾値を定める側に報告すること。そして措置の前に独立した根拠を要求し、確認者1人がシステムに同意しただけでは足りないようにすることです。

- 照会画像、登録画像、スコアを並べて表示し、システムが何を比較したのかを確認できるようにします。
- 却下を含め、確認者の判断を警報と紐づけて記録し、監査と閾値調整のために双方を保持します。
- 監視リストの各対象者について登録理由と見直し期限を保持し、リストが蓄積せず失効するようにします。
- 検索を実行できる者を制限し、結果だけでなく、実行者と申告された目的を含めてすべての照会を記録します。
- 一致から重大な措置につながる前に、独立した第二の根拠を必須とします。

## 導入形態が候補を決める理由

機密区画、中央省庁の一部、重要インフラでは、データを構外へ出せないという規定が、評価を始める前にアーキテクチャを決定します。この規定はクラウドサービスを全面的に排除し、オンプレミスのソフトウェアの多くも排除します。その大半が、ライセンス、テレメトリ、モデル更新のために外部と通信するためです。

同じものであるかのように記載されがちな3つの導入形態。

オンプレミスとだけ書かれた要件は、外部と通信するソフトウェアでも満たされます。エアギャップを意図するなら要件に明記が必要であり、実務的な検証は仕様書を読むことではなく、外部経路のないホストに導入してみることです。

- エアギャップ — 実行場所: 境界内の自庁ハードウェア — 外向き通信: 一切なし
- オンプレミス — 実行場所: 自庁ハードウェアまたはデータセンター — 外向き通信: 通常は許可、多くは制限付き
- プライベートクラウド — 実行場所: 事業者側の専用テナント — 外向き通信: 前提として発生し、データは組織外へ出る

## 事後解析とリアルタイム運用の違い

事案の発生後に録画映像を検索することと、ライブ映像から人物を識別することは、規制上も別の運用として扱われ、実際に性質が異なります。顔認識とだけ求める仕様書では、この区別が失われ、どちらを構築したかの判断がベンダーに委ねられます。

ガバナンスを決める観点で比較した2つの運用。

運用上最も重要な違いは、確認者に与えられる時間です。事後の検索は、分析担当者が丁寧に検討できるスコア付きの候補一覧を返せます。リアルタイムの警報は、対象者がまだ歩いている間に判断を求めます。前者を想定して設計されたシステムを後者に用いれば、担当者に無理な要求をしたうえで、その回答を判断として記録することになります。

そもそも事後の検索を可能にするのは保存方針です。捜査上の必要ではなく保管コストに基づいて決めた映像の保存期間は、後からどの事案を調べられるかを、意識されないまま決定しています。

- 起点 — 事後の検索: すでに捜査中の特定の事案 — リアルタイム識別: 通過するすべての人に対して継続的
- 処理対象者 — 事後の検索: 保存された映像に写っている人 — リアルタイム識別: 視野内のすべての人、期限なく
- 確認者に与えられる時間 — 事後の検索: 数時間から数日 — リアルタイム識別: 数秒
- 許可の取得 — 事後の検索: 検索ごとに事前に取得しうる — リアルタイム識別: 一度取得し、継続的に適用される
- 一般的な規制上の扱い — 事後の検索: 条件付き — リアルタイム識別: 禁止または限定的な例外

## 公共調達で求めるべき事項

アルゴリズムに関する独立した証拠はNISTによるものです。提出されたアルゴリズムを非公開データで測定し、内容にかかわらず結果を公表します。NISTは特定のベンダーを推奨するものではなく認証も発行しないため、提案書のNIST承認という記載は、加点すべき資格ではなく、根拠となる報告書の提示を求める理由です。

- どちらのモードか。提示された認証情報に対する本人確認か、ギャラリーに対する本人識別か。法的評価はこれで決まります。
- 第三者評価に提出したアルゴリズム識別子と、その提出時期。
- 提示された性能値の背後にある属性別の内訳。全体値ではなく内訳を求めます。
- 監査記録。検索ごとに何が記録され、誰が閲覧でき、どれだけの期間保持されるか。
- 外向き通信がない状態での動作。外部経路のないホストで実地に確認します。
- 自庁のカメラでの実証。2種類の誤りと、警報の確認・却下比率の報告を求めます。

## 官公庁はAyonixをどのように調達するのか

業者登録に必要な会社情報は1か所にまとめて公開しています。アヨニックス株式会社（Ayonix Co., Ltd.）は2007年に東京で設立され、日本、オーストラリア、米国に拠点があります。会社概要ページに、正式名称、所在地、電話番号を、登録先に用いていただきたい表記で記載しています。

- 製品ではなく要件から始めます。本人確認か本人識別か、リアルタイムか事後か、そして拠点が外向き通信を一切認めるかどうか。Ayonixはこの3点の回答に基づいて案件の範囲を定めます。
- 本格導入の前に自庁のカメラで実証し、2種類の誤りと、すべての警報確認の結果を報告します。
- 自庁が管理するハードウェア（自庁のサーバーまたはATLAS BOX）に導入し、拠点が求める場合はエアギャップで運用します。
- Ayonixと直接、またはAyonixパートナープログラムの地域のシステムインテグレーターを通じて契約します。
- 公共機関向けの実証をAyonixに相談する
- 業者登録のためのAyonix会社概要
- Ayonixのシステムインテグレーターを探す・パートナーになる

## よくある質問

**Ayonixを導入した官公庁・公共機関はどこですか。**
公開しているAyonixの導入事例では、国境管理で国際連合、公共空間の映像解析でトルコ警察、ATLAS BOXによる現地での映像解析でインド国防省、旅客処理でコロンボ・バンダラナイケ国際空港、AIによる建築申請書類の検証でドバイ内務省を明記しています。各事例で、課題、導入内容、確認の運用を説明しています。

**顔認識を利用している官公庁はどの程度ありますか。**
GAOは、調査対象の米国連邦機関24のうち18機関が2020会計年度に利用したと報告しています。16機関は支給端末のロック解除などデジタル認証・サイバーセキュリティ用途、6機関は犯罪捜査の端緒の把握、5機関は物理セキュリティや場所の監視に利用していました。

**EUでは法執行目的の顔認識は禁止されていますか。**
全面的な禁止ではありません。AI法の禁止規定は2025年2月2日に適用が開始され、第5条は公衆がアクセス可能な空間における法執行目的のリアルタイム遠隔生体識別を禁じますが、事前の司法許可を要する3つの限定的な例外があります。本人の関与を伴う本人確認は禁止の対象外です。

**監視リストの一致で自動的に措置を取るべきですか。**
取るべきではありません。候補一致は人が判断するための材料であり、それに直接作用する運用はスコアの誤りを現実の帰結に変えます。照会画像と登録画像をスコアとともに表示し、確認者の判断を記録し、措置の前に独立した根拠を求めるのが標準です。

**官公庁にとってオンプレミスとエアギャップの違いは何ですか。**
オンプレミスは自庁のハードウェアで動かすことを意味し、通常はライセンス、テレメトリ、更新のための外向き通信が残ります。エアギャップはそのすべてを禁じます。オンプレミスとだけ書いた要件は外部通信を行う製品でも満たされるため、意図は明記する必要があります。

**入札でNIST認証を取得したベンダーはありますか。**
存在しません。NISTは評価を実施し、提出されたアルゴリズムの結果を報告しますが、ベンダーの推奨も、証明書の発行も、認定一覧の維持も行っていません。提案書のNIST認証という記載は、加点すべき資格ではなく、根拠となる報告書の提示を求める理由です。

**官公庁の監視リストはどの程度の規模にすべきですか。**
定められた目的が許す限り小さく保ちます。登録項目の1件ごとが無関係な人物が閾値を超える機会になるため、誤警報はリストの規模に比例します。登録には文書化された理由と見直し期限を付し、項目が蓄積せず失効するようにします。

**顔認識の検索では何を記録すべきですか。**
結果だけでなく照会そのものです。誰が、いつ、どのような根拠で、どのギャラリーに対して実行し、その後どう判断したか、却下を含めて記録します。一致のみを捉える監査記録では、監督機関が実際に問う何をなぜ検索したのかに答えられません。
